大学教育再生プログラム(AP) テーマⅠⅡ複合型

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千葉大学   高大連携を強化し理系グローバル人材を育成する「次世代才能スキップアップ」プログラム

テーマⅢ「高大接続」

2014年度~2019年度

【取組の概要】

 大学・高校・教育委員会がコンソーシアムを構築し、高校生を対象とする「次世代才能スキップアップ」プログラムを開設する。早期からの理系グローバル人材養成・選抜により、高等教育の早期化と理系人材としての個々の才能を評価する体制づくりを行う。さらに入試改革との連携により大学教育の高度化を推進し、グローバル教育・研究拠点としての機能を向上する。この成果に基づき高大シームレス教育のモデルを構築する。

【取組のポイント】

➢「高大協働カリキュラム研究」 大学が必要とする理系人材像を示し、高校と協働して育成 
➢「先取り授業」 大学教養レベルの講義・実験講座により理系高校生の学習の先鋭化
➢「グローバル環境創出」 留学生や研究者などを活用し高校生のグローバル化促進教育機会を提供
➢「入試改革との連動」 課題研究を大学において実施することで新たな指導・選抜の仕組みを構築
 →飛び入学、AO入試、推薦入試への活用
【キーワード】
「高大接続」、「科学技術人材養成」、「グローバル人材養成」、「系統的学習カリキュラム」、「入試活用」

【人材育成目標】

養成する人材像・具体的な達成目標
■グローバルな視点を持った理系の研究・技術・教育人材多様化した社会では正解と言うものが存在しない。このグロ-バル世界のなかで、時代にマッチした答えを見出し、発展的に活躍する人材を養成する。

【教育上の課題】

大学が主導する理系グローバル人材養成の実効化
■これまで高等教育と初等中等教育間で人材育成に関する目標が共有されていなかった。大学が社会のニーズに基づく理系グローバル人材像を提示し、資質をさらに伸ばすための効果的・効率的養成を高大連携で推進する。このために高校段階から大学での学びを考慮した科学教育の機会を与える。
■さらにこの学びの成果を大学進学につなげ、大学教育改革との連動を強化することで、新たな学びのスキームを構築する。
<課題解決のための取組>
高大連携での次世代才能スキップアッププログラムと入試改革
■理系研究・技術・教育人材の発掘と養成を目指すとともに、将来次 世代のグローバル理系人材として、国際舞台で活躍していくために必要なグローバルコミュニケーション力の実践的伸長を目指す。これらにより、自分の研究やアイデアを科学的に表現・アピールする力を身につけ、さらに同じ研究分野に取り組む仲間との出会いを通じて、互いに切磋琢磨しながら真摯に研究に打ち込む姿勢を育成する。

【これまでの取組、実績・成果】

連携高校数 37校 
受講高校生徒数 2,667人 
実施講座数 161講座
本取組で重点的に実施する3点
 ■大学レベルの高度な科学教育プログラム開発・実施
 ■高大連携での千葉県全域のSSH化
 ■高校生の活動成果の大学入学試験への活用
<取組事例1>基礎力養成講座:1~2年生
■4コース(健康医療、テクノロジー、総合サイエンス、園芸学)の分野横断型講座を定期的に開催した。講座の一部は高校・大学教員の協働による授業開発・実践を行っている。これらにより高大双方の教育の距離を縮めることが可能になった。
<取組事例2> G-スキッパー養成講座:2~3年生
■自ら立案した課題研究に取り組むもの。受講生はチューターの指導を受けながら、大学の研究施設を活用して研究を進める。このなかで論理的な思考力と発表力を身につける。受講生の中から東京大学医科学研究所大学院進学など研究者の卵として歩み始めている者もいる。
<取組事例3>高校生グローバル化支援:1~3年生
■留学生を高校に派遣し、高校生のグローバル化教育を支援する。留学生の支援により高校生は英語でのコミュニケーション力を身につける
■国際研究発表会を年3回開催し、高校生が留学生及び海外の研究者の前で英語で研究を発表する機会を創出している。この経験を活かし、海外での研究発表や国内での英語発表に挑戦する高校生が出ている。

【今後の取組の計画】

■教育内容の多様化
大学の学びの多様性を実感できる新たな科学実験講座を開発し、高校生の大学進学への動機付けと志向の明確化を進め、理系グローバル人材養成力を強化する。
■支援終了後の持続的発展のための自立化
 (1)サマープログラム充実による実施の効率化を進める。
(2)課金システムによる一部受益者負担で実施体制開発を目指す。
■入試改革との連動強化
  高大接続の効果を高めるため入試改革との連動強化を推進する。
■取組の波及
  開発した取組内容を高校・大学へ発信する。
 (1)県外高校への働きかけを進め、コンソーシアムの充実を図る。
 (2)講座実施成果を分析し、論文発表等により公開する。

【本取組における成果と社会へのインパクト】

●高大協働教育での高校生の学びの高度化・先鋭化
●大学のグローバル環境を活用した高校生の能力育成支援
●これら取組を活用した入試改革の取組アウトカム
●理系人材養成力強化により日本経済の持続的発展が可能

【本取組の質を保証する仕組み】

全学体制
 大学教育改革に伴う新体制構築で教育企画・実施のone stop化を行い、学長直属の国際未来教育基幹を設置した。
■次世代才能支援室の開設:国際未来教育基幹高大接続センターに次世代才能支援室を開設し、全学体制での実施を明確化した。
■高大連携支援室との協働:同室との連携により高校生理科研究発表会を実施している。さらに海外の研究者や留学生の前で英語での国際研究発表会など高校生のグローバル活動支援を実施している。
■国際教育センターとの協働:留学生の活用効率化を推進している。
■全学実施体制:各学部より高校生向け講座が提供され、効果的に大学の学びを体感できるようになっている。
■入試改革の連動:園芸、教育学部等との入試連携が図られている。
高大連携体制
■コンソーシアム運営体制:近隣都県37校とのコンソーシアムが形成され、情報共有と講座改善の取組が継続的に行われている。
■高校教員との連携
 (1)講座受講生の情報共有:受講生情報を双方で共有し、支援。
 (2)講座実施における連携
  ①高校教員の主体的取組との協働
一部講座開発を高校教員が主導し、大学教員が補佐している。
カリキュラム研究の一環として高校生の学びを考慮した講座開発を大学教員集団と高校教員集団で連携している。
高校での講座実施:留学生活用英語講座を共同で実施。
   ②高校教員により補助的協働:視察・助言を高校教員が実施
体系的学習とその学習成果の認定
■体系的に大学での学びを習得する講座の開発と実施
千葉大学が先進的に取り組む理系分野の特性を考え、4コース(健康医療、テクノロジー、総合サイエンス、園芸学)をアクティブ・ラーニング形式で開講している。各コース8講座を受講することで、その学問領域の概要を体系的に習得することが可能となっている。
■初年度教育改革
  グローバルジャパンカリキュラムにより受講生の初年度単位認定
具体的な実施計画における指標 2014年度
(起点)
2017年度
(実績)
2019年度
(目標)
高校関係者との意見交換の実施数[回数] 39 282 12
高校生を対象とした大学レベルの教育機会の提供数[回数] 4 41 16
高校生を対象とした大学レベルの教育機会の提供数[人数] 28 769 50
科学教育を推進する高大連携コンソーシアム(学内における学部数) 4 8 7
科学教育を推進する高大連携コンソーシアム(学外,県内有力校) 19 37 30
高大連携授業「次世代スキップアップ」プログラム:講座実施数 4 31 16
高大連携授業「次世代スキップアップ」プログラム:受験高校生数 23 179 80
科学教育支援プログラム:受講高校生数(G-スキッパー) 2 6 15
高大連携グローバル化支援プログラム:実施数 14 21 12
高大連携グローバル化支援プログラム:受講高校生数 65 561 50